
面白く、あっという間に読んでしまった。番記者が書いた新書です。
副題の「戦後日本の悲しき自画像」とあるが意味が分からない?
総理になってからずいぶん叩かれ、退陣後後半は、ロッキード事件やら派閥の事やらで苦労が絶えなかった事を言っているのか、病気で倒れてからは本家から出て自由に女性やその子の所には行けなくなった事を指しているのか。それとも、小学校しか出ていない者が立身出世をしたが、究極のところ家柄、学閥等が物を言うのか?等考えたが、「あとがき」を読み返してみた。
田中角栄は、日本の近代の泥濘のなかから這い上がった。・・・・・「利益還元政治」は見方を変えれば「社会民主主義」だった。・・・・それを新潟三区の選挙民は支持した。・・・・・カネという形で表現した。そして転落した。・・・・さらに権力に固執した。次第に狂気を帯びる・・・・角栄が去って二十年、角栄の取材メモをひっくり返していると、あの頃の政治の物狂おしい活気が蘇ってくる。・・・「昭和」とりわけ「戦後」の日本の復興と成長と転落をそこみ見る。いま、日本政治を見ると、・・・・田中角栄を通して、日本政治の苦悩の過程を見てもらい、・・・・真の民主主義を・・・・・・願っている。